top of page


       専門家の訓練について

 富山県こどもこころの相談室では、子どもやその家族にかかわる心理職(臨床心理士、公認心理師、スクールカウンセラー等)のスーパーヴィジョンや、対人援助職(教師、児童指導員、保育士、看護師等)のコンサルテーションをお引き受けしています。
 
 対人援助職の現場では、「どのように支援するか」ということを第一に考えがちです。
 しかし、対人援助職において第一に考えることは、不適応行動、問題行動、症状と呼ばれるものは、「子どもやその家族のこころにどのようなことが起こっているのか」を面接、検査、行動観察を用いて理解することです。
 当相談室では、主に力動的
な視点から相談者についての理解を深めていきます。

 力動的な視点は対人援助職者にとって大きな武器になります。対象の子どもやその家族の「こころ」について理解できなければ、適切な支援には繋がりにくいからです。

 また、長年のスクールカウンセラーの臨床経験から、スクールカウンセラーにおける心理教育等についてもご相談に応じます。
 


〇当相談室の専門家を対象にした訓練は、特に以下の方におすすめです。
・今、職場で困っているケースについての方向性を見出したい方

・困っているケースについての理解を深めたい方。
・対人援助職者としての能力を高めたい方。
・力動的な人間理解について興味のある方。 

・スクールカウンセラーをしているが、学校で具体的にどのように活動をすればいいのか分からない方。
・スクールカウンセラー等による「心理教育」の実施の仕方、各学年に合った効果的な授業(講演)内容を作りたい方(数回に分けて一緒にパワーポイントの素案を作ることも可能です)。
 

①個人スーパーヴィジョン
 力動的な立場からのスーパーヴィジョンです。子どもや家族を対象にした職場で勤務する臨床家等を対象にしています。

1回につき6,000円(50分)でお引き受けしております。

②グループ・スーパービジョン

 富山県こどもこころの相談室では、「子どもを対象にした現場」で勤務をしている方を対象にしたグループ・スーパーヴィジョンを行っています。
・定員 5名(単発の参加は不可)。*令和6年3月現在、2名の参加者を募集中です(ご友人を誘われて参加していただくことも多いで
す)。
・日時 第4日曜日の9時~11時。
・場所 富山県こどもこころの相談室(富山駅から徒歩圏内)

・参加料 3,500円(当日欠席の場合の参加費は不要です)
・参加資格
①公認心理師  臨床心理士 精神保健福祉士 社会福祉士 看護師等の対人援助職の資格を持つ方。
②守秘義務を厳守できる方。
③子ども、親、家族等を対象にした臨床を行っている方。
④年に数回、ご自身が担当しているケースをできるだけ発表できる方(構造化されていない簡易なものでも可)。

・当相談室におけるGSVの特徴について

 SVは心理職を中心とした対人援助職に就く者にとって非常に大切な訓練の一つです。一つの正解を見つけるのではなくて、参加者同士がそれぞれ感じたことや連想したことを話題にし、支援に対する視点を広げていくものです。臨床経験、臨床年数、活動のフィールドにかかわらず、参加者が自由に話し合えることを心がけています。

 事例はどのような面接手法でも構いません。「力動的に考えるとその事例からどのようなことが見えてくるか」ということをグループで考えていきます。

 スクールカウンセラーの事例(子ども、親、教員)、プレイセラピーの事例、乳幼児健診における親子観察の事例、地域の発達相談会の子どもの様子や、親のかかわり方に関する事例、児童相談所の事例、児童養護施設の事例、教育センターの事例、女性センター等での親や、子どもについての事例等、子どもや家族支援に関する事例について、少人数のグループで臨床の力をつけていくことを目的としています。

GSVでよくディスカッションになる一例

・どのように治療構造を作るか(枠組みを作るか)。

・相談者との治療目標をどのように作ればよいか。

・ただ、漠然と話を聴くのではなく、どのように相談者のニーズと面接者の見立てをすり合わせて、支援をスタートすればよいのか。

・相談者が話をしない、面接に意味を感じていないと感じる場合はどのように介入すればよいのか。

・面接者が相談者と会うことに抵抗がある場合、どのようなことを考えながらケースを進めればよいか。

・心理面接においてアドバイスや助言をするのではなく、どのようにしたら相談者の語り(連想)を促すことができるのか。

・初回面接は重要だと聞くが、どのようなことを意識しながら(最低限やるべきこと等)相談者の話を聴けばよいのか。

・相談者のキャンセルが増えたり、相談が途切れたり、相談を止めたいと言われたら、どのように介入したらよいか。

・面接者に対する不満や怒りが面接の中で出てきたときは、どのようにケースを理解したらよいか。 等
 

bottom of page